バンガード五郎 ETFを買う

バンガードの低コストインデックスファンド・ETFをバイ&ホールド

貯蓄だけでは『長生き』がリスクになる【上】

f:id:iceman893:20180921191759j:plain

既に人生の折り返し地点を過ぎたバンガード五郎です。(多分)

貯金が大好きな日本人ですが、超低金利政策のなか今後は貯金するだけでは厳しい時代になりつつあるようです。人生100年時代にむかってどのように備えればいいのでしょうか。

 

投資は「悪」貯蓄は「美徳」日本人独特のお金に対する感覚

もともと日本人は投資の利益は不労所得で、お金は額に汗して稼ぐものだ。そして倹約して貯蓄することを良しとするといった考えが根強いと思います。また株式投資は「ギャンブルと同じではないか」「損をするのが怖い」というふうな悪いイメージを持っている日本人が多いのではないでしょうか。確かに何も考えない投資は“ギャンブル”と同じかも知れません。そして勤倹貯蓄自体は素晴らしいことですし個人的に否定するつもりもありません。しかし米英では貯蓄や投資に対する考え方が日本とは異なるようです。その一因として若年期の金融教育が挙げられます。

日本人は金融の教育に時間をかけない

「投資は悪いことだ」こういった偏見があるのも、日本の株式投資に対する教育レベルが低いのが原因とも言えます。私も義務教育期間にそのような教育を受けたことがありませんでした。 しかもどちらかというと株やお金の話を人前ですることがタブー視されているようにも感じました。しかし米国などでは小学生からファイナンスやマネーに関する授業があり、あの有名な『モノポリー』を使って投資の勉強をすることもあるそうです。つまり日本人の金融リテラシーは欧米のそれに大きく劣っているということになります。ですから投資に対する考え方が大きく違っていても仕方がないことなのかも知れません。

style.nikkei.com

www.fsa.go.jp

日本人は「預貯金に頼りすぎ」

f:id:iceman893:20180921165807p:plain

出典:日銀調査統計局

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf

貯蓄から投資へと叫ばれ続けていますが、依然として日本人は金融資産の52.5%を預貯金でもっています。それに比べて米国の株式等への投資比率の高さがひときわ目立ちます。最近では政府も「貯蓄から投資へ」を推進しています。その結果がNISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)の税制面での優遇制度です。しかし上の表を見る限り日本人が投資へシフトしたとはまだまだ言えない状況のようです。

 しかし近い将来に預貯金だけの人は投資の『運用リスク』を回避する代わりに、『長生きのリスク』をとることになってしまうことになると考えられます。

 

以下にロボアドバイザー投資のウェルスナビ代表取締役CEO柴山和久氏のインタビュー記事を引用します。創業の経緯に関する質問に答えておられます。

米国人の妻の両親が、専門家に資産運用を任せ、若い頃から「長期・積立・分散」の資産運用を続けてきたことを知りました。年齢も学歴も職歴もそれほど変わらないのに、給与を銀行預金に委ねてきた私の両親と、資産運用を続けてきた妻の両親では、資産に10倍もの差がありました。もし私の両親が、妻の両親と同じように資産運用をしていれば、今の何倍も豊かになっていたはずだと思いました。

こうした二つの経験が原動力となって、ウェルスナビを創業することにしたのです。 

このように米国と日本では投資に対する考え方の違いから、資産に10倍もの差が開いています。これも日本人が預貯金に頼りすぎた結果と言えるでしょう。

人生は100年時代へ

今後も少子高齢化が進み社会保障制度の維持さえも危ぶまれる中、平均寿命が伸びていくことで預貯金を切り崩すだけでは、いつかお金は枯渇してしまいます。他にも医療費や介護保険料の負担増など現実に起こりうるリスクが山積しています。そして一つ言えるのは日本人が投資と無縁でいられる時代は終わったということです。これから顕在化しつつある「長生きのリスク」にどのように備えるべきでしょうか。私自身もただただ積立投資をしているだけで明確な老後のプランがない状態です。

そのあたりについて次回以降考えたいと思います。