バンガード五郎 ETFを買う

バンガードの低コストインデックスファンド・ETFをバイ&ホールド

インカム重視で荒波を乗りきれ

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バンガード五郎です。

今年も残りわずかとなりました。

できれば年間収支プラスで終わりたいところですが、なかなか時合が悪く混沌とした状況が続いています。米中の貿易摩擦にHuaweiショックも絡んで、ここから短期で株式市場が回復・安定するようなことはしばらくなさそうです。

そのような中、今後も米国株がボックス圏で推移したり、さらに一段と下落すると想定した場合に個人投資家はどのように対応すべきでしょうか。

今回は、私も影響されつつある高配当株配当再投資をはじめとするインカム重視の投資で、どうにか市場の荒波を乗り切れないか模索してみたいと思います。

インカムゲインとキャピタルゲイン

投資活動で得ることのできる収益にはインカムゲインとキャピタルゲインの2つに大別できます。

インカムゲイン:株式や債券などの資産を保有することによって得られる利益で、主に配当金があげられる。不動産では家賃収入がインカムにあたる。

キャピタルゲイン:株式や債券などの保有している資産を売却することによって得られる利益。値上がり益。

インカムゲイン、キャピタルゲイン | いま聞きたいQ&A | man@bowまなぼう

 なぜインカムを重視するのか

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上のチャートは2018年年初来のS&P500指数の推移です。

ご覧のように1年でほぼほぼ横ばいの結果となっていますから今年から投資を始めてS&P500インデックスに投資した方は、購入時期に関わらずそのまま保有していれば、ほとんどの人が儲かっていないということになります。

また、無配のグロース株の代表的な銘柄の中からフェイスブック(FB)のチャートを見ると、年初に買った人は大幅な含み損を抱えている状態となっています。

↓フェイスブックのチャート

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フェイスブックに代表される無配当のグロース株は株価が値上がりすることによって得られる値上がり益でしか運用益を出すことが出来ません。

また、相場や為替などの様々な要因により、好業績であっても株価が上がるとは限りませんし、今年1年に見られる株価が停滞する時合においてはキャピタルゲインしか望めない無配当のグロース株を買うことは非常にリスクが高いといえます。

 

一方で高配当の大型株においては、株価が停滞する現在のような局面であっても配当は必ず運用益として得ることが出来ます。

かなりざっくりとした例になりますが、株価が100万円で配当利回りが5%の株を買ったとします。

その後の20年間で株価も配当利回りも変わらなかった場合(厳密には税金や配当落ちなどあるが)20年間で得たインカムによって元が取れるということになります。そして元を取ったその後も保有する限り半永久的に配当金を受け取ることができるのです。

 

しかし、無配当のグロース株で同様に20年間の運用を考えると、運用益はゼロということになってしまいます。ですから、今年のような株価が停滞する局面ではインカムを重視する戦略が有利になります。

ただし、ひとたび株価が上がる強気相場ではグロース株のキャピタルゲインは高配当大型株の比ではないことも付け加えておきます。


そして1つだけインカムゲインを狙った投資で気をつけなければいけないことは、企業の業績が悪化するなどの理由で買った株が減配や無配になることです。ですから銘柄を選定する場合は財務健全性なども精査した上で慎重に選ぶ必要があります。

しかし米国株なら配当貴族指数に名を連ねるような25年以上連続増配している銘柄から選べば、こういったリスクは大きく減らすことができるでしょう。

 

その中でも特におすすめはP&G(PG)やコカ・コーラ(KO)、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)、アルトリア(MO)などの生活必需品やヘルスケアセクターに属する企業です。

これらの企業は筆者が死ぬまでに減配や無配になることは、まずないと考えて大丈夫でしょう。そしてこのような増配銘柄は年々配当が増える可能性が高いため、インカム収入をある程度予想できることから、運用計画も立てやすくなります。

また、たとえ下落局面であっても配当をもらいながら保有することにより、一定の安心感が得られるというメリットもあります。

 

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 インカムを重視で荒波を乗りきろう

上記4銘柄以外にも米国株には配当利回りが3%を超えるような黄金銘柄がごろごろしています。

米国投資界隈では定番と言われるような銘柄ばかりですが、あえて奇をてらう必要はありません。不景気になっても生活に必要なものは売れ続けますから、こういったディフェンシブ銘柄から投資先を選べばほぼ間違いないでしょう。

 

もしこういった投資手法をETFで実践しようとした場合、BlackRockのHDVやバンガードのVDC・VHTなどで代用することになりますが、ETFだけでの運用では、どう頑張っても配当利回り3%辺りが限界となります。インデックスやセクターをまるごと買うETFの場合、ボラティリティが個別株に比べて低くなる代わりに配当利回りが犠牲になってしまうのは仕方がありませんね。

 

最後にキャピタルゲインとインカムゲインではどちらが優れているということではありません。昨今のような市場環境で株価が停滞したり大きく乱高下するような時合で、個人投資家は予想出来ないキャピタルゲインに期待した運用をするより、配当利回りなど運用益を計算できるインカムを重視した投資へウエイトを置き、勝つことよりも負けないことに注力すべきです。

そして運用益で得られる配当金を再投資することで加速度的にインカムを増やすことも可能なのです。

 

 皆さんご安全に!