もしも最悪の事態がおこったら
バンガード五郎です。
投資においては「元本の確保こそ最重要事項」です。
しかし投資にリスクはつきものです。調子のいい時ほど忘れがちですが、保有資産のリスクについて正しく把握しておくべきです。
自分の投資元本がもし50%になっても耐えられるか?
自分のリスク許容度を知ることは大切です。
★投資元本1,000万円が株価の暴落により500万円になったら。
元の1,000万円に戻すためには500万円に減った元本を倍にしなければなりません。
500万円を年利10%で運用しても1,000万円に戻すのに8年必要です。
このようなことを理解した上で投資と対峙する必要があります。
私は実際に10年前に似たような経験をして、市場から退場することになったのです。
一度半分に減ってしまった資産を取り戻すのは大変です。上記のように例え年利10%で運用しても8年という時間がかかりますし、より早く取り戻そうとすれば身の丈以上のリスクを取ることになり更に資産を減らしかねません。完全に負のスパイラルに陥ります。このようなことを考えれば、勝つことよりも負けない投資を心がけ、よりリスクを減らすことが重要です。
金儲けを甘く見てはいけない。心の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がず、休まず、自己の本職本業を守って努力を積み重ねていくほか、別にこれぞという名策名案はないのであって、手っ取り早く成功せんとするものは、また手っ取り早く失敗してしまう。
本多静六『私の財産告白』
最悪の事態がおきた時の最大損失額を知る
保有資産のリスク許容度が自分に合っているか確認する方法があります。
一般的には上下、『標準偏差』の2倍の範囲内に収まると言われています。
(標準偏差が17%なら倍の34%まで上下に値動きが分散する。)
具体例で見てみましょう。
振り子は1年ごとのリターンのブレ幅を表しています。
(出典:ALL About)
図の例は年間平均リターンが7%で標準偏差が20%のファンドの場合。
1年後のリターンは、年平均リターンの7%を中心に標準偏差20%(1標準偏差)の範囲である
−13%〜+27%に68.3%の確率で収まり、またそれ以上振れ幅が大きくても
年平均リターンの7%を中心に標準偏差20%✕2=40%(2標準偏差)の範囲
−33%〜+47%に95.4%の確率で収まります。
つまり標準偏差が低いほど、価格が上下に暴れにくく、より安定した運用に向いているということになります。
S&P500インデックスの場合
SPY(2006年6月~2018年7月)
リターン:8.88%
標準偏差:18.82%
↓
数値はtakachanさんのブログより
アキバ系投信自作派 : 米国航空宇宙&防衛セクターのリスク、リターン、シャープレシオは?2006年6月~2018年7月版!
S&P500の場合
1年後のリターンは
68.3%の確率で−9.94%〜27.7%
95.4%の確率で−28.76%〜46.52%
という結果になりました。
注意:リーマンショックでは95.4の確率の範囲内に収まらず、それ以上に下落しています。残りの4.6%に当たった訳です。100年に一度というのも頷けますね。
まとめ
自分の保有している資産がどれだけのリスクを抱えているか、理解できていない人も多いでしょう。しかし、景気は必ず循環します。市場が好調な今のうちに自分のリスク許容度と保有資産のリスクを確認すべきです。
このところインフレやリセッションという言葉がよく聞かれますが、明日の市場がどうなるかなどエコノミストでも分かりません。
ですから個人投資家としては自分でコントロールできることだけに傾注するしかないのです。そのコントロールできることとはリスクを減らすことやコストを減らすことです。今後の市場動向に、あまり疑心暗鬼になるのもどうかと思いますが、備えはしておくのが賢明です。
次の投資先はHDVやVHTなどと迷いましたが、VOOかVTIへ来週早々投資したいと思います。