SPYDとかいう高配当ETF
バンガード五郎です。
日本人は“高配当”という言葉に弱いらしいです。
私も大好きですが、ETFで“高配当”といえば、真っ先にiシェアーズ・コア米国高配株ETF[HDV]やバンガード・米国高配当株式ETF[VYM]が挙げられます。
この2つでも性質(保有銘柄やセクター比率)は異なるのですが、もっと異色の高配当ETFがあります。
2018年7月より各ネット証券で取扱が開始されたステート・ストリート・グローバル・アドバイザーのSPDR® ポートフォリオS&P 500® 高配当株式ETF[SPYD]です。
今回はこのSPYDについて調べてみました。
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF[SPYD]
概要
- 設定日:2015年10月21日
- 基準通貨:米ドル
- ベンチマーク:S&P 500 High Dividend Index(S&P500高配当指数)
- 経費率:0.07%
- コアとなる資産に対して幅広く分散したエクスポージャーを提供するように作られた、一連のポートフォリオ構築ツールである、低コスト・コアSPDRポートフォリオETFの一つです。
SPYDの特徴
とにかく高配当
配当利回りがHDVやVYMより高く4%を超える高配当ETFです。しかもコストも0.07%とHDVやVYMより低くなっています。
このことは、次のセクター構成比率を見ればわかりますが、REITを含むETFであるため他のETFと比較して高利回りということです。
不動産と公共事業で約50%
↑SPYDのセクター比率
不動産と公共事業で約半分と高配当株にかなりウエイトがかかっています。
均等荷重ETFである
↑SPYDの構成銘柄上位10社です。
80銘柄で均等荷重ということなので、各社一律に1.4%〜1.5%の保有比率となっています。通常時価総額比率のETFが多い中、なかなか面白い商品です。
ベンチマークであるS&P 500 High Dividend Index(S&P500高配当指数)とは
配当利回りに基づき、S&P500採用銘柄のうち配当支払い上位80銘柄のパフォーマンスを計測する指数です。
S&P500高配当指数を簡単に説明すると
- S&P500の配当支払い上位80銘柄からなる
- その80銘柄による均等荷重←重要
↓ダウ・ジョーンズホームページ
S&P 500 High Dividend Index - S&P Dow Jones Indices
SPYDの設定日が2015年で、かなり最近設定されたETFです。
実績自体アテにできませんので、上記指数とS&P500のパフォーマンスを比較してみます。
過去10年ではS&P500高配当指数のほうが、本家S&P500をアウトパフォームしています。このような良績を残せている理由は、多分に高配当再投資が寄与していると思われます。
しかしリーマン・ショック時にはS&P500より下落幅が大きいことがわかります。
SPYDの使いどころ
セクター比率からは、とてもコア資産になり得るETFではなさそうです。
筆者は不動産セクターの比率が高いので引いてしまいますが、次に多い公共事業セクターが下落時に、はたしてクッションの役割をするのか?非常に興味深いETFです。
もしポートフォリオに採用するのであれば、REIT的な扱いで数パーセントをスポット的に組み入れるのが良さそうです。おまけに高配当とくればアセットクラスの分散と高配当戦略がいっぺんに出来てしまいますね。ただし、HDVやVYMに比べると2015年設定と後発なため時価総額はかなり小さく、流動性の面では多少の不安があります。
おわりに
REITを多く含むため、リスキーなETFという見方もできますが、一方でインカム投資らしいポートフォリオであると言えます。
そして、過去の話ではありますが直近の10年でS&P500を超えるパフォーマンスを出しているというのも事実です。
どうしても中身を見るとキワモノ的な存在ということになりますが、均等荷重と高配当というタッグはETFで高配当再投資戦略をする場合、ポートフォリオの一端を担う存在になり得るETFだと思います。
SPYDは高水準の配当収入と投資元本のキャピタルゲイン、両方の獲得を目指せる低コストETFです。
皆さんご安全に!