バンガード五郎 ETFを買う

バンガードの低コストインデックスファンド・ETFをバイ&ホールド

じぶん年金をつくる【下】

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バンガード五郎です。

前回までの二回で、老後に向けた資産運用について考えてきました。

最終回の今回は具体的な投資手法について回答を出せればと思います。

 

ホームバイアスはリスクになる

多くの人が日本人であるためホームバイアスが働き、必要以上に自国への投資に偏る傾向があります。投資の基本は「分散・長期・積立」です。グローバルな視点で見れば自国に偏重した投資は分散できているとは言えません。時価総額比率での世界分散こそが分散投資の基本です。

そして日本企業への投資は非常に難易度が高くお勧めできません。

主な理由を以下に列挙します。

  • 25年以上増配しているのは花王1社のみ
  • 経営状況により簡単に減配や無配になる
  • 企業を信用できない(偽装や隠蔽体質)

日本の企業を投資対象としてみた場合、明らかに株主還元に消極的です。また後でお話したい事と直接関係してくる『配当利回り』が欧米と比べて低いのも投資対象にならない理由です。他にも取引単元(100株・1000株など)に満たないと配当再投資できないのもお金を遊ばせておくことになるため、機を逸してしまいそうです。ですので手数料や税金のメリットがあっても私は日本株は買いません。

投資対象を決める

個人的には定年まで残り約20年と決して時間的余裕があるとは言えない状態です。そのような状況でどういった対象に投資するのが最善となるでしょうか。そして前回算出した生活費の不足分(毎月10万円)を捻出するために妙手はあるのでしょうか。

リタイア後も運用を続けることを前提に、自分では以下のような2つのパターンを候補に上げます。

①海外ETFでポートフォリオを構成し広く分散する。また高配当ETFなどもトッピングしインカムとキャピタルゲインの両睨みで進める。

ETFのメリットは企業に詳しくなくても投資ができる点や資産運用の基本である分散投資が気軽にできる点が挙げられます。また長期投資に不可欠な低コストという点についても非常に優秀です。

例えば米国株であればS&P500ETF(VOO他)への投資を中心に、高配当ETF(VYM他)やセクターETF(VDC他)、債権ETF(BND他)などでポートフォリオを組みます。個別株に比べるとボラティリティも低く安定した運用ができそうです。但し年齢に応じて徐々に債権ETFを増やし、退職後は勝つ投資より負けない投資にシフトする必要があります。

↓ROKOHOUSEさんのETFによるシーゲル流ポートフォリオです

www.rokohouse.net

またETFではインカムは期待できても3%が限界です。それ以上の利回りをETFに求めるとジャンク債やREITに手を出さないと難しいので、個別株に比べるとインカムよりキャピタルゲインが中心になってきます。ですから退職後に毎月10万円を捻出しようとすれば、口数を取り崩す必要が出てきます。形成した資産を取り崩すことで資産が目減りすることは不安です。理想は資産を減らすことなく分配金を生活費に回したいところですが、ETFだけでこの事を達成するには巨額の投資資金が必要になりそうです。

 

②米国株、ADRなど個別銘柄の中から高配当で連続増配している大型優良企業でポートフォリオを組み、配当再投資し定年後は口数を減らさず配当金を生活費に回す。

S&Pコア10種の企業のような減配の可能性が低い配当利回りの高い企業でポートフォリオを組みます。例を出せばバフェット太郎氏のポートフォリオと言えば分かりやすいでしょうか。

↓バフェット太郎10種とは

buffett-taro.net

こちらはキャピタルゲインよりインカムゲインを強く意識した戦略となります。ひたすら配当を再投資しインカムゲインを最大化させます。これを愚直に積み上げることによって保有する株数は増え、インカムも増え続けます。リタイア後も運用を続けて、口数を減らすことなく配当を生活費の不足分として充当します。ETFと比べて総じて配当利回りも高いためインカムゲインを中心に考えれば高配当個別銘柄への投資に妥当性はあります。ただ、ETFとは違い個別銘柄はリスクがより大きくなることを考えると、上級者向けと言えるかも知れません。

 

↓高配当株配当再投資を粛々と進めておられる三菱サラリーマンさんのブログです。

freetonsha.com

 

私なりの結論

どちらも一長一短あり、本人のおかれている状況にもよりますので、どちらか一方を選択するのは難しいです。ただ、今回このブログを書いていて感じたのは、現状は資産形成段階でインカムよりキャピタルゲインを中心に考えていますが、ある程度の種銭が貯まったら高配当再投資戦略への移行もアリかなと傾きつつあります。

例えば日本の企業でJT(日本たばこ産業)がありますが、年間配当が150円です。株価が2,930円なので配当利回りが5%ほどです。少し乱暴な計算ですが20年持ってれば元が取れる計算になります。またその後も持ち続けることによりインカムはどんどん入ってきます。こういった高配当銘柄でポートフォリオを組むことで、お金を吐き出す『マネーマシン』を作るのが理想ですね。

そして個人的には、資産を取り崩し口数を減らして不安を感じるより、キャピタルゲインを多少犠牲にしても安定した配当が入ってくるほうが精神衛生上良いですし、私には向いているような気もします。

さて、このことが結論になったかどうか分かりませんが、一旦この話はここで終わりにしたいと思います。また、今回はすべて現行の年金制度で考えていますので、今後70歳からの受給になったり、年金の減額などネガティブな変更は十分考えられますので、そういったリスクへの備えもあわせて行う必要がありそうです。

最後に私は初心者に毛が生えた程度の個人投資家です。

なにか良い案などございましたらお気軽にコメントください。