NISAの呪縛で売り時を逃す[少額投資非課税制度]
バンガード五郎です。
昨日の株価急落には肝を冷やした人も多かったのではないでしょうか。
私は運良くバーゲンセールで[VTI]バンガード・トータル・ストック・マーケットETFを少々買い増しました。(まだまだ下がりそうですが・・・)
ところでNISAで短期投資している人はどれくらいいらっしゃるでしょうか?
今回はNISA口座で保有する株の売り時について考えたいと思います。
NISA制度は長期投資を意識して設計されている
一度投資したら長期間保有し、配当や優待を受け取りながら長期的な値上がりを非課税期限いっぱいまで保有する。
NISA口座の一般的な使い方は長期保有を前提としたこのような方法で運用されている方が多数派でしょう。
NISAで運用できる期間は5年間で、ロールオーバーを加えれば10年間ですが、途中で売却した枠を再利用する事が出来ません。ですから一般的には値動きが小さく安定して長期的に値上がりする商品と相性が良いのです。たとえばS&P500指数に連動したインデックスファンドなどは長期保有ではほぼ勝てる投資先です。
NISAで投資したがために売れない呪縛
本来NISA口座であろうが、特定口座であろうが投資は投資です。しかしNISA口座で投資をした場合はバイアスが働き課税口座とは違う扱いをしてしまうようです。
たとえば、NISAの保有株はなるべく売りたくないと考えてしまう理由として以下のようなものがあげられます。
- 途中売却するとNISA枠は消失し再利用できない
- 非課税期間が残っているので期間いっぱい運用しないと勿体ない
そもそも長期投資すればすべての株が値上がりするわけではありません。特に個別株に投資をした場合、インデックス投資に比べると値動きも大きく5年後に損切りする場面も考えられます。こういった場合では含み益があるうちに利益を確定するのも一法です。
各自の投資ルールに従えば本来売るタイミングであっても、NISAで投資をしたがために通常の売買のタイミングで取引できなくなっている人が多いのではないでしょうか。
私は、これこそがNISA制度の最大のデメリットだと思っています。
タイプ別NISAの活用法
最初に、NISA口座でなるべく長期保有して、途中で売却したくない場合には、運用する商品をよく吟味する必要がありそうです。
そうなると毎度念仏のように言いますが、S&P500インデックスファンドに投資するのが最適解だと思っています。気になるのは、ややセクターに偏りがあるところですが、他のセクターETFなどで調整すれば問題ないレベルだと考えています。
逆にグロース株の個別銘柄などをNISAで投資するなら、非課税口座であっても課税口座同様に自己の投資ルールに従って取引することを徹底するべきでしょう。NISAの呪縛にかかり、売り時を逃すということは避けなければいけません。なぜなら投資元本の確保こそが常に最重要事項だからです。売り時を逸すると含み損を抱えたまま非課税期間が過ぎ、最悪の場合にはNISAのデメリットばかりを享受してしまうことになりかねません。
最後に、もともとNISAは長期投資を意識して設計された制度ですから、最低でも10年は持ち続ける覚悟で運用しましょう。また今後は恒久化となる可能性があるため、銘柄選びは特に慎重にしたいところです。
私は長期投資で運用していますからNISA口座の株(ETFのみです)を売ることは考えていません。NISAをタイムカプセルのように今年の年末には瓶に蓋をして、土に埋めて5年後に開封するイメージで考えています。5年後や10年後にどうなっているか楽しみです。うまく大きく育ってくれているといいのですが。
皆さんご安全に!
↓NISA口座の過去記事です。